【養老保険とは?】その種類と掛け捨てとの違いをわかりやすく解説

生命保険は、お亡くなりになってしまった時など、万が一の時に備える為に加入するもので、一般的には掛け捨てを想像される方が多いのではないでしょうか?

掛け捨てとは、万が一が起こればお金がもらえますが、起こらなかった時にはお金がもらえない、というものです。

しかし、この生命保険は、保障目的だけでなく、貯蓄目的で加入する事もできます。つまり、保障と貯蓄を両方の目的として持つ事ができるのです。

貯蓄型の保険とは、毎月保険料を払っていって、将来払ったお金が同等もしくはそれ以上になって戻ってくるイメージの保険です。

では、そんな貯蓄型の保険の代表的なものの1つに、養老保険というものがあります。

養老保険には、どのような種類があって、どのような仕組みになっているのでしょうか?

今回は、養老保険の仕組みや、その種類についてわかりやすく解説していきます。

養老保険とは?

養老保険とは、かんたんに言うと、亡くなったらもらえるお金が、亡くならなくてももらえる保険です。

その名の通り、老後に自分を養うための保険のようなイメージですが、老後以外の目的としても使う事ができます。

養老保険の定義は、死亡保障と満期保険金が同額の保険ですが、満期のタイミングやその種類は保険によって様々です。

満期保険金とは、保険が終了するタイミングで、お金が戻ってくるという事です。

万が一が起きてもお金がもらえて、万が一が起こらなくてもお金がもらえる、という事ですね。

なぜお金が戻ってくるの?

保険会社はなぜ、お金を戻してくれるのか?と言うと、保険会社は、皆さんから保険料として預かったお金を、会社で保管しているわけではなく、資産運用をしてくれているからです。

しかし、あまりリスクを取って資産運用をして、後で返せませんでしたでは困りますので、比較的安全な投資先に投資をしています。一般的に生命保険会社が最も投資をしているのは、公社債と呼ばれるものです。

例えば国債です。日本の場合は日本国債ですね。公社債はなぜ比較的安全なの?と言えば、公社債はいわゆる債券全般の事を指すわけですが、債券というのはかんたんに言えば、お金を貸すという事です。貸したお金は利息を含めて将来返ってくる金額が決まっていますよね。株などは将来いくらになるかは保証されていませんが、債券は将来いくらになって返ってくるかが決まっているので、比較的安全と言えるのです。

日本国債の場合は、日本自体にお金を貸しているイメージなので、日本が破綻しない限りは、将来返ってくるお金は保証されます。

つまり保険会社は、この資産運用によっても利益を出していますし、貯蓄型の保険の場合は、その利益を一部契約者にも分配しているというイメージです。

そして、保険会社が契約者に約束している利率というのが、予定利率と呼ばれるものです。この予定利率が高ければ高いほど、保険会社もたくさん利益が出るので、必要な保険料は安くなります

そして、この予定利率が高ければ高いほど、満期保険金として将来返ってくる金額も大きくなるのです。

種類1.学資保険

この養老保険の1つが学資保険になります。学資保険は老後の為の貯蓄ではなく、お子さんが高校や大学に進学する際に必要になる学資を確保するための保険です。

契約者に万が一があってもその資金を確保できるし、何もなくても満期保険金として資金を確保できるという保険です。

教育資金をしっかり貯められるだろうか?という不安をお持ちの方にはありがたい保険ですよね。

約30年ほど前は、各生命保険会社の予定利率は7~9%ほどでした

この時代は例えば、お子さんが18歳のタイミングで学資保険で満期金を200万円受け取るためには、約100万円の保険料の支払いで済みました

つまり、100万円積み立てれば、それが将来200万円になって返ってきたのです。これは、とても良いですよね。

しかし今は、予定利率が0.5%ほどになってしまっているので、学資保険でも中には元本割れをしてしまうものも存在しています。元本割れとは、払った金額よりも、少ない金額になって戻ってくるという意味です。

なぜ予定利率がプラスなのに、元本割れするの?とお思いの方もいらっしゃると思います。

注意したいのは、予定利率=金利ではありません

保険会社は、その保険を維持する為に必要な手数料を受け取っています。その手数料分を加味すると、契約者にとっては実質運用がマイナスになることもあるのです。

貯蓄型の保険だと思って加入したのに、よくよく計算すると損をしてしまう内容だと気づかなかった。という方もいらっしゃいますので、注意が必要です。

また、学資保険の保障は一般的に死亡保障だけでなく、お子さんが病気やけがで入院した時や手術をした時の保障を受けられる特約がついているものが多いです。しかし、日本ではほとんどの地域で、お子さんが入院したときに掛かるお金や、手術に掛かるお金は補助されますので、必ずしも必要ないケースもあります。(※お子さんの年齢や地域による)

必要以上に特約を付ければ、もちろんその分保障に手数料が必要になりますので、元本を割ってしまう可能性は高くなります。特約とはオプションのようなものなので、基本的には不要なものは外す事ができます。契約の前にしっかり確認するようにしましょう。

種類2.特殊養老保険

養老保険の中には、特殊養老保険というものもあります。

養老保険の定義は、死亡保障額と満期保険金額が同額の保険なのですが、保障額を下げることによって、満期保険金を多くしようという保険も存在します。つまり、死亡保障額と満期保険金額が同じではない養老保険の事を、一般に特殊養老保険と言います。

この、特殊養老保険は、保障額を下げる事で、満期保険金額を増やすタイプのものもあれば、逆に保障額を上げて満期保険金額を減らすタイプのものもあります。

重要視したい目的が保障なのか?もしくは貯蓄なのか?によって選ぶべき養老保険の種類が変わってきます。

保障を維持する為に、手数料が必要なので、保障額が少なくした分、同じ予定利率でも、満期保険金をたくさん受け取れるというものです。

種類3.外貨建て養老保険

日本の保険は当然、保険料は日本円で支払い、保険金も日本円で受け取ります。

しかし、日本の保険の中には、外貨、つまりは米ドルなどの海外のお金で支払う事ができる保険もあります。

「米ドルなんて持ってないよ」という方も多いかと思いますが、米ドルを持っていなくても米国ドル建てという形で、日本円を支払う際にドルに変換して支払う事ができる保険があるのです。

なぜ米国ドル建てにするかと言えば、もちろん日本は輸入をたくさんしている国なので、円安になって円の価値が下がれば物価が上がってしまう可能性があります。それに備えるにはドルを持っておくことも手段の一つなのです。

つまり、円安に備えてドル建ての保険に入られるという方もいらっしゃいます。

そして、もう一つの理由は、予定利率が高くなるからです。

前述のように、保険会社の予定利率は保険会社が何で運用をしているのかによって決まります。円建ての場合は日本国債が中心になりますが、例えば米国ドル建ての場合は保険会社は為替を気にせず米国債の運用をすることができます。

米国債の利回りは日本国債よりもはるかに高いので、予定利率が非常に高くなります。

どのくらい変わるかと言えば、一般的な保険の予定利率が0.5%前後であるのに対し、米国ドル建ての保険の予定利率は3%前後になります。(※保険会社によって異なります)

そして、この予定利率は、一般的には契約時点で約束されるので、途中で変更される事はありません。

もちろん、外貨建ての場合は日本円に対して為替リスクは存在するので、その点は注意が必要です。支払う時も、受け取る時も、為替によって金額が変動します

途中解約すると損をする可能性が非常に高いので、為替の影響などを考えて、無理のない金額で契約される事をお勧めします。