近年、NISAやiDeCoなども追い風になって、日本全体が以前よりも投資ブームになっていると思います。
そんな中、日経新聞のこちらの記事
要するに、
「みんなが預金よりも投資に回している金額が、だいぶ増えてますよ!」
そして、「その中身はアメリカ株が多いですよ!」
かなりザックリ言えばそのような内容です。
公募投信とは、いわゆる一般の人が買えるような投信で、この流入額が昨年時点で、4年近く毎月上昇し続けていました。
今まで投資していた人の資産が増えているというよりは、それと同時に「新たに投資を始める人がどんどん増えた」という状況です。
国としては国内の株価が上がれば、企業が成長して、税金もたくさん払ってくれるよね?という算段でNISAやiDeCoなど対策してましたが、案外アメリカにお金が行ってしまい、そこは想定外かもしれません。
そのような背景の中で、2022年注意していきたいことに関して、できる限り分かりやすく解説していきます。
アメリカ株暴落の危険性
2021年はアメリカ株がとっても好調で、アメリカに投資をされていた方はほぼ全員笑って2021年を終えられたかと思います。
資本主義経済のセオリーで言えば、上手くいっている会社はどんどんうまくいきますので、長期的に言ってもアメリカ株はどんどん成長する可能性が高いと思います。
世界的に、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)を筆頭にIT系の会社の株価は特に成長しました。
インターネット関連の会社は消費者の個人情報がどんどん集まるので、それによって様々なマーケティングをして消費者が欲しいものを提供したり、広告でお金を稼いだりできるのです。
しかし、ヨーロッパは個人情報保護に関して敏感なので、個人情報取得に関しての規制が世界的に更に加速していくと考えられます。
通信キャリアなど、情報を沢山取得できる企業と、そうでない企業で、売上が二極化していく可能性があります。
また、コロナの影響で昨年までは規制緩和を沢山していましたが、それによる景気の過熱を抑えるためにテーパリングなどが行われる可能性も大いにあり得ます。
テーパリングが分からない!という方はこちらの記事をご覧ください
金融締め付けによって、規制が厳しくなれば
それに伴って株価が大きく下がる可能性もあります。
アメリカ株は大丈夫だ!と盲信することは要注意です。
中国のデジタル人民元
中国が今、デジタル人民元を創って、世界の基軸通貨を目指す動きを水面下で進めていると言われています。
デジタル人民元とは、かんたんに言えば、中国独自の暗号通貨のようなものです。
習近平政権になってから、中国はみるみるGDPを上げて、経済的にアメリカの背中を最も近く追っている存在と言えます。
今までの中国の社会主義的な動きではなく、ほぼ資本主義国として、経済の世界の覇権を握ろうとしています。
社会主義は平等主義の考え方で、資本主義は強いものが勝つ、という考え方ですが、習近平は中国を平等にする為に全世界に勝つ!というイメージです。ウイグルの人権問題など、本当に怖いです。
もしデジタル人民元の構想がうまくいくようなことがあれば、世界の経済の仕組みそのものが変わってしまい兼ねません。
もしデジタル人民元が基軸通貨になるようなことがあれば、世界中の通貨は中国を経由しないと買えないことになります。
GDPの大逆転が起こる可能性もゼロではありません。
暗号資産バブル
ビットコインの価格はここ5年で最大約70倍ほどになりました。
ビットコインを5年前から100万円分持っていた人は、約7000万円になってしまった計算です。
ものすごいですよね。
暗号資産自体の価値が確実に上がり続けるかどうかはさておき、ブロックチェーンの必要性は今後も無くならないですし、むしろ必要性は増す一方かと思いますので、ビットコインを中心に暗号資産の価値は大きく上がったり下がったりしながらも、長期的には上がることが予想されます。
暗号資産や、ブロックチェーンについて良く分からない!という方はこちらをご覧ください
ブロックチェーン技術によって、2021年はDeFiのブームも始まり、2022年はこちらも加速すると思われます。
DeFiによって、暗号資産を借り入れて、暗号資産に投資をする、というような流れが加速するので、完全なバブルが大量発生する可能性があるのです。
バブルは崩壊する可能性があるので、暗号資産の暴落もあり得ます。暗号資産で稼ごう!という発想で持つのではなく、通貨危機等に備えて、少し持っておく、くらいの感覚から始めることをオススメします。
岸田政権による、金融所得課税
投資ブームの影響は、もちろん以前から株を持っていた人にも追い風で、大きく利益を出した方も沢山いらっしゃいました。
それによって、懸念されるのがいわゆる「格差」です。お金持ちはどんどんお金持ちになって、貧しい方はどんどん貧しくなってしまう。格差が大きくなってしまう可能性は常に問題視されています。
首相が岸田さんに変わったとこにより、大きく変わる可能性があるのが金融業界です。
岸田さんは、格差を無くすために「所得の再配分」をうたっているのですが、その方法として金融所得課税というものを検討しているということが、昨年物議を醸しました。
つまり、株などで利益を出した人は今まで以上に税金を払いましょう!という制度です。
もしこれが何らかの形で実現してしまうのであれば、もちろん一気にこの投資ブームが冷え込む可能性があります。
もちろん、投資をする人が激減すれば、投資しているものの資産価値も激減する可能性があります。
安全な投資先への分散を
「株式や暗号資産などの投資先は危険だ!」となると、債券系の投資先にお金の流れが移動します。
例えば国債、保険(種類による)などです。
債券はいわゆる「元本確保型」と言われるもので、将来受け取れる金額が保証されているタイプの投資先です。
株などが危険だと判断されれば、当然こういった比較的安全な投資先にお金は流れますし、
景気が過熱されすぎて、金融引き締めが起こると、金利が上がるので債券は利回りが高くなります。
国債は国が破綻しない限りは出したお金は必ず戻ってきますし、社債も会社が倒産しない限りは必ず約束されたお金は戻ってきますので、安全性が高いです。
一方、償還のタイミングが決まっているので、満期になったら受け取って終わりになります。
保険商品の場合には外国債や社債などよりも利回りは低くなることが多いですが、満期なく契約が続く限りは予定利率が保証されるようなものもあります。
最近はYouTubeなどで「保険は良くない」と一方的な意見も散見しますが、組み方や目的によって、とても良くも、とても悪くもなる、というのが正しい解釈かと思いますので、その点は注意が必要です。
ものによっては、将来受け取れる金額も「保証してくれる」保険も存在しますので、信用できるFPさんに相談されることをお勧めします。
全額預金もリスク!
預金はデフレ化では価値が相対的に上がりますが、インフレ下では価値がどんどん目減りします。
今まではバブル崩壊から、「日本はずっとデフレ」という雰囲気がありましたが、
実はじわりじわりとインフレが始まっています。
例えば物価が2%上がったら、相対的に預金の価値は2%減ることになるのです。
預金が安全や、株が危険などという話ではなく、何か1つに集中していることが危険なのです。
まとめ
周りが儲かるとどうしても「自分も儲かりたい」と感じてしまうものです。
「とにかく沢山楽して儲かりたい」と考える人の元に詐欺師はやってきます。
2022年は昨年以上に激動の一年になる可能性があります。経済が大きく成長する可能性もあれば、大きく落ち込む可能性もありますので、「儲けよう」という発想よりは、「損をしないようにリスクを分散する」という発想で、資産を少しずつでも分けていくことをお勧めします。