【お金ってそもそも何?】お金の役割と考え方について解説

みなさんが普段使っているお金。

毎日使う非常に身近なものですが、お金ってそもそも何?と聞かれると答えるのは難しいのではないでしょうか?

学校で習ったかも知れませんがお金の役割には大きく3つあります。

今回はお金ってそもそも何というところから考え方から資産の持ち方についても解説していきます。

出典:全国銀行協会

お金の機能その1 価値交換

1つ目の機能は価値交換機能です。

もし仮にこの世にお金というものが存在していなかったからどうなるでしょうか?

例えばみなさんが野菜を持っていて、そんな時に靴が欲しいと思いました。
もしお金という物が存在していなかったとすると、野菜と靴を物々交換せざるをありません。

しかも物々交換をしようと思っても、みなさんが持っている野菜が欲しくて、みなさんが欲しいと思っている靴を持っている人に会うことが出来なければそもそも交換が成り立ちません


そうするととんでもなく交換する相手を探すのが大変になってしまいます。

本来であれば物と物を交換している訳ですが、普段のやり取りでこんな手間のかかることを皆さんはされていないでしょう。

何故ならお金という物が存在してくれているからです。

私たちが普段行っている取引の流れを見てみましょう。

まずみなさんは野菜を売ってお金に換えます。

そして換金したお金で欲しい靴を買っていますね。

このようにお金には価値を交換する機能がまず1つとしてあります。

お金の機能その2 価値尺度

2つ目の機能は価値尺度機能です。


平たく言えばその物にどれくらいの価値があるのかを測るということですね。

例えば自分の持っている車を売りに出したいといったときに、査定に出していくらの価値があるのかを調べますよね?

ただもしお金という物が存在していなかったら、他のもので換算するしかないということになります。

例えばこの車はりんごだったら1,000個分あるいは、お米なら100俵分というような測り方になってしまう訳ですね。

ただりんごやお米など物の価値は需要(欲しい人)と供給(売りたい人)で常に変動します。


そのためりんごやお米で価値を測るのは難しいということになってしまいます。

そこで代わりにお金の出番となり、お金を通じて物の価値を測る尺度としての機能があるわけです

お金の機能その3 価値保存

3つ目は価値保存機能です。


例えばみなさんが農家を営んでいて、自分の畑で米やその他の作物が豊作で大量に作ることができました。

しかし作物はしばらくすると腐ってしまい、長期間保存することができません。

折角収穫した作物の「価値」を保存しておきたいと思った時にお金の出番がやって来る訳です。

収穫したものを売って、お金に変えました。

お金として保存するとお金は硬貨や紙や、データなので長期間置いていても野菜のように腐ったりすることがありません

お金が発明されたことによって価値を未来に残せるようになったわけです。

お金という物が発明される前までは、基本的に作物などを長期にわたり保存することができませんでした。

なのであまり貧富の差が無かったのですが、お金の価値保存機能により貧富の差が生まれたと言われています。

お金の価値も変わる?

さて今までお金の3つの機能について見てきましたが、今度はお金の価値は変動するということについて解説していきます。

物の価値は市場というもので決まります。

出典:公正取引委員会

基本的に物の値段は需要と供給のバランスで決まります。


平たく言うと欲しい人と売りたい人がどれくらいいるかということですね。

例えば作物で考えた場合、大量に収穫するとその分たくさん市場に出回りますので価値は低くなります。

逆に少量しか収穫できないものは、供給を需要が上回って価値が高くなります。

みんなが欲しがれば物の価値は高くなり、欲しい人が少ない場合は、物の価値は低くなります。

実はお金の価値も同じ原理で決まります。お金の価値も市場で決まります。

作物のようにお金が大量に出回るとお金の価値は下がります。

これがいわゆるインフレといわれる状態ですね。

政府が紙幣を大量に発行するとお金の価値が下がってインフレになります。

さらに日本の通貨円が大量に出回ると、他国の通貨から見た円の価値も下がります。

ドルを例に挙げるとドルで円を買うのが安くなる、つまり円安ということになるわけです。

円を買うのに必要なドルが少なくなったというイメージです。

額面は変わらないけれどもお金の価値自体も変動するということです。

お金の価値の測り方は?

お金の機能その2 価値尺度で解説した通り、物の価値は今そのものを売ったらいくらになるのか?

ということで測ることができます。 つまり、物の価値はお金で測ります

それではその物を測るお金の価値はどうやって決まるのでしょうか?

それは逆にそのお金で物をどれだけ買えるかということが、お金の価値となります。

物の価値が変動するようにお金の価値も変動します。

2008年から現在の日本円の価値の変動について見ていきましょう。

2008年のリーマンショック後の金融危機に対応するため、アメリカは大胆な量的緩和を行いました。

量的緩和というのはお金を大量に発行して、お金の価値を下げ、物の価値を上げることです。

つまりアメリカ政府は米ドルを大量に発行したわけですね。

それに対してその時日本は特に何もしませんでした。

そうすると円と米ドルには供給量の差ができて、戦後最高値の1ドル76円の円高となりました。

その後米国経済は復興し、アメリカは金融緩和終了へと向かっていきました。

一方、日本ではデフレ脱却に向けて金融緩和が行われて、今度は日本円の供給量が増え1ドル120円までの円安になりました。

このようにお金は供給量によって価値が変動するのです。

実際に買い物をするとして考えてみましょう。

みなさんが1万円を日本円で持っていたとします。

1個80円の価格の商品は1万円を出せば、125個買うことができますね。

その後円安が進み、1個80円の価格の商品の値段が上がり125円になったとします。

そうすると、額面は同じ1万円なのですが、125円になると80個しか買えなくなってしまいます

このように額面の金額が変わらなかったとしても、日本円というお金の価値自体が変動することがあるわけです。

そして2020年以降新型コロナウィルスによって世界の事情が変わってきています。

新型コロナウィルスによりダメージを受けた経済を立て直すために、多くの国が金融緩和を行い、各国の通貨の供給量が増えました

そうすると、いろいろなところでお金の価値が下がることになりました。

代わりにお金ではない物例えば、株式や債券、金などの価値が上がりました。

逆に言えば相対的に通貨そのものの価値が下がった訳です。

通貨というものは経済情勢などを考慮し各国政府の都合によって供給量が変わりますので、その時々により価値が変わります。

このような事態に備えるためには資産を分散しておくことが重要です。


何かで大きく儲けるということではなく、自身の保有している資産を目減りせずに守ることが重要になってきます。

どのような資産をどのような割合で持っておいた方が良いのかは、その時の状況によっても変わりますので身近なファイナンシャルプランナーの形にご相談下さい。