毎年年末になると、どこからともなく「ふるさと納税やった?」という言葉が聞こえてきますが、
「正直ふるさと納税やってないし、良くわかってないけど、今更聞きづらい」
という方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はふるさと納税について、初心者向けに分かりやすく解説していきたいと思います。
目次
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、ずばり簡単にいうと、
実質2,000円で、それ以上のお礼の品がもらえてしまう制度です。
このような表現をすると「本来の目的とは違う」というご意見頂きそうですが、
なぜ皆さんがふるさと納税をやっているのか、という本質的な理由は上記だと思います。
例えば、ふるさと納税をすると2000円しか払っていないのに、5万円分のお肉やお米などがもらえてしまう可能性があるのです。
「どういう事?」という声が聞こえてきそうですが、もう少し詳しくお話していきます。
目的は地方を盛り上げる事
日本は元々人口が都心に集中していますが、少子高齢化や人口減少に伴ってその勢いは加速しています。
地方に人が減ると、当然地方の税収も減っていきます。そうすれば地方誘致の対策なども取りづらくなるのが実情です。
そこで、自分が居住する自治体以外の自治体にも納税できるようにすることによって、地方を創生しようというのが目的です。
第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。
第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。
第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。
出典:総務省
ふるさと納税は、「ふるさと」納税ですが、自分の故郷以外の自治体でも応援できるのが特徴です。
どういう仕組みなの?
ふるさと納税は、自分で自由に金額と自治体を決めて、様々なポータルサイトを経由して寄付をします。
ポータルサイト上に様々な自治体が、寄付金に応じて、様々なお礼の品を用意しているので、そのお礼の品を見ながら自治体を決めていく事になるので、イメージとしてはネットショッピングでお買い物をする感覚に近いです。
選べるお礼の品は、食材から家電製品、美容品から日用雑貨まで、本当に様々です。
このお礼の品が、例えばネットで出品されているものと比較すると寄付額に対して50%くらいのものなどがあります。
寄付額に対するお礼の品の価値の事を還元率と呼ばれていますが、この還元率はお礼の品によって様々です。
では、例えば10万円を寄付したとして、還元率50%であれば、5万円分のお礼の品がもらえるという事になるのですが、
これだけでは、本当にただの良い人になってしまいますので、ふるさと納税が広がるはずもありません。
実は、ふるさと納税の場合は、この寄付した金額に対して2000円を引いた金額分、翌年の住民税が安くなるのです。
例えば、今年10万円分寄付をすると、翌年の住民税が98,000円安くなる、というイメージです。
住民税が翌年安くなるのであれば、実質支払っている寄付金は2,000円という事になりますよね?
「2000円でお礼の品が沢山届くならお得だ!」という事でふるさと納税広がっていっているのです。
いくらでも寄付して良いの?
実質2000円でお礼の品をいくらでももらえるのであれば、「お金があるだけ寄付した方が良いではないか!」と思ってしまいますが、そういう訳ではありません。
実質2000円になる金額には、所得によって上限が決まっています。
上限を超えて寄付をしてしまうと、それこそその分はある意味本当の寄付になりますので、それ自体が問題にはなりませんが、お得にふるさと納税をするには、実質2000円になる、寄付金額の上限を確認する必要があります。
上限額の確認方法
ふるさと納税は厳密にいうと、住民税のみが安くなるパターンと、所得税が還付された上で、残りが住民税から引かれるパターンと大きく2つあります。
いずれにしても、上限額の計算方法は同じですが、計算自体はとても複雑なので、総務省の年間上限額の目安をご覧いただくのが良いかと思います。
その他、各社が出している、ふるさと納税用ポータルサイトにて、上限額の目安のシミュレーションができるページがありますので、それらを参考にするのが良いかと思います。
ふるさとチョイス | https://www.furusato-tax.jp/about/easy_simulation |
ふるさとプラス | https://furusatoplus.com/info/003/ |
さとふる | https://www.satofull.jp/static/calculation01.php |
また、あくまで上記のサイトは目安になります。
年収だけでなく、扶養家族がいるのかどうか、医療費控除があるのか、住宅ローン控除があるのか、などによっても金額が変わってくるので、厳密にはお住まいの自治体もしくは税務署にご確認されることをお勧めします。
もしくは、上限範囲内であれば、いくらでも実質2000円になるので、上限目安のギリギリではなく、少し少なめの金額を寄付するのが良いもしれません。
お礼の品の選び方
ふるさと納税は前述した通り、実質2000円でお礼の品がもらえる、というものになりますので、寄付した分が全額節税になるのかと言えば、そういう訳ではありません。
必要ないものをお礼の品でもらっても仕方が無いですし、一気にふるさと納税をすることで、お礼の品が沢山家に届いて、家が手狭になってしまう、というリスクもあります。
また、食材などの賞味期限のあるものなどは、期限内に処理しきればければその分無駄になってしまいます。
自分が欲しいもので、なおかつ、できる限り還元率の高いものを選ぶのが良いかと思います。
還元率は、ふるさと納税のサイトで紹介されているお礼の品を、楽天市場などで調べてみると、同じ商品が売られている可能性がありますので、その値段と比較をすれば調べる事ができます。
例えば、楽天市場で5000円で売られているものが、ふるさと納税1万円の寄付で手に入るとすると、還元率50%です。
全ての還元率が仮に50%で、寄付上限が10万円だとすると、その方が上限いっぱい寄付をすると実質2000円で5万円のお礼の品が手に入ることになります。
還元率ばかりに目を向けず、本来の制度の目的に沿って応援したい自治体に寄付をするべき、という声も聞こえてきそうですが、還元率などを意識しながら、様々なお礼の品を見ることによって、今まで知らなかった自治体を知ることができたり、その地域に興味が湧いたりと、本来の目的にもつながると思います。
いつまでに寄付すれば良いの?
お礼の品も自治体も、本当に沢山あるので、選ぼうと思えばいくらでも選べてしまうと思います。
そんなふるさと納税はいつまでに寄付をすればよいのかというと、12月31日までに寄付をすれば大丈夫です。
もちろん、12月31日にすべてのふるさと納税を終わらせても良いですが、ネット環境の問題などで万が一年が明けてしまったら、翌年のふるさと納税になってしまうので、なるべく早く終わらせた方が良いでしょう。
逆に、早すぎる事はありませんが、前述した通り、所得によって上限が変わってきますので、各種控除も含めて年間の所得額がある程度わかった時点で早めに動き出す事をオススメします。
確定申告が必要?
ふるさと納税をする際に、ワンストップ特例というものを選ぶことができます。
このワンストップ特例の場合には、1月10日までにワンストップ特例申請用紙と、本人確認書類を各自治体まで郵送すればOKです。
上記を選択すれば、確定申告をする必要はありません。
注意したい点として、ワンストップ特例は6つ以上の自治体に寄付をする人は使う事ができません。
また、事業所得がある人や、会社員でも年収2000万円超えているなど、確定申告をする予定がある人もワンストップ特例を使う事はできません。
確定申告をする場合には、2月15日から3月15日までの確定申告のタイミングで寄付金控除証明書というものを添付する必要があります。
ワンストップ特例を使う事ができる人は、ワンストップ特例を活用する事をオススメします。